武田龍之介の推薦盤 Vol.2

『Nick Lowe / Party of One』
01. You Got The Look I Like
02. (I Want To Build A) Jumbo Ark
03. Gai-Gin Man
04. Who Was That Man?
05. What’s Shakin’ On The Hill
06. Shting-Shtang
07. All Men Are Liars
08. Rocky Road
09. Refrigerator White
10. I Don’t Know Why You Keep Me On
11. Honeygun

私の音楽愛聴歴は小6のビートルズにはまり、中学はアメリカンTOP40、ベストヒットUSA、高校はジャパニーズポップスを聴きあさる。18歳くらいから、ルーツミュージックにはまっていき、カントリー、スワンプ、テックスメックス、ブルース、ニューオーリンズ、ジャズ・・・と土臭い世界へ続いていく20代を過ごすのだが、私の人生で、最初で最後であろう、この私をオタクにしたアーティストがニック・ロウなのだ!1980年代後半、私は、今の地下アイドルのオタに負けずとも劣らない、ニック・ロウ命で、西新宿のブートレッグ街(わかる人にはわかる!)をうろうろとしていたのだ。ニック・ロウは、オタク心をくすぐるような、3色のカラーレコード盤やジャケ違いをリリースしたりで、私は普通に、レコード、CD、それぞれの日本盤、イギリス盤、アメリカ盤を購入して、悦に入っていたのだ。(異常)私の周りにニック・ロウを聴いている人はおらず、コンサートも一人で行く!家でも一人、ニックを聴く!収集したものを並べてニタニタ!真正のオタクでした。ニックさんは、パブロックという英国発のロックンロール、カントリー、パンクなどの影響を感じさせるルーツロック系なジャンルの出身なんです。大先生になってしまった、エルビス・コステロもここ出身なのです。パブロック周辺レーベルといえば、STIFF、DEMON、EDSELなどで、お茶の水のディスクユニオンで何とも言えぬ輸入レコードの匂いで脳を麻痺させられ、よく買いあさったものでした。そして、私がやられてしまったニック・ロウサウンドとは、アメリカンカントリーミュージックへの憧れをイギリス人としてのフィルターを通して再現した何とも言えぬサウンド感という事なのである。勿論、初期のポップでキャッチーなニックの世界も素晴らしい。今回の作品『Party of One』は天国サイドのロックンロールと言われるように、ニックのポップロックにイギリス流カントリーフレイバーを散るばめた最高に大人なロックアルバムなのである。なんとプロデューサーが英ロックンロールの巨人でニックの盟友であるデイブ・エドモンズ!(涙)理屈じゃないんだ!聴いてみて!
最後に私だけの独断と偏見であるかもしれないが、パブロック界のジョン・レノン=エルビス・コステロ、ポール・マッカトニー=ニック・ロウ。そして、ジョージ・ハリソン、ジェフ・リン、ボブ・ディラン、ロイ・オービソン、トム・ぺティーからなる番長バンドの「Traveling Wilburys」に対し裏番長はというと、ニック・ロウ、ジョン・ハイアット、ライ・クーダ、ジム・ケルトナーからなる「Little Village」という事なのだ。(なんのこっちゃ!?)まだまだ、語り足りない・・・